それってつまり結局は

TEAM NACSとジャニーズのブログ。

TEAM NACS解散のすゝめ

少し前に更新されていた、V6ファンのさささんのブログを読みました。



私がジャニーズと同様に好きな、TEAM NACSに置き換えて見たところ、なんだかとっても興味深いことが次々に出てきたので、NACSの今までとこれからについて自分なりに考えてみました。


Twitterでもつぶやきましたが、そもそも私は、最終的にはTEAM NACSは解散してほしいと思っています。





まずこの安田さんのビジョンについて、安田さんの発言を中心に追っていきたいと思います。

安田さんのビジョン1

  • 北海道の別々の場所で生まれ育った5人の男が、札幌の大学で出会い、感性で惹かれ合って仲良くなる。


広い北海道の中で、5人は高校生まで別々のところで生まれ育ちました。


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雄大な土地が広がる上川地方からは東川町出身の森崎さんと、旭川市出身の音尾さんで、二人は四学年離れているので会うことはありませんでしたが、同じ旭川西高校出身。


北海道の中心地である石狩地方からは札幌市出身の戸次さんと隣町の江別市出身の大泉さん。そして海沿いの胆振(いぶり)地方の室蘭市出身の安田さん。室蘭見えづらいですが、札幌の三つほど下、一番下の尖ったところに緑の街があります。ちなみに、知らない方のためにお伝えしますが、それぞれのメンバーカラーで色分けしました。


ここから、札幌市にある北海学園大学に進学し、五人は出会いました。

Q:安田さんの中でTEAM NACSはどのようなポジションを占めているんですか?
安田:とてもとても特別です。やっぱり両親に育てられたので、僕の性格とかは非常に親の影響が多いけど、後は親元を離れてから出会った人に僕は作ってもらったから。ただ非常に甘えすぎたなぁという思いも今はすごく感じてますね。肯定的にとっていただきたいんですが、僕はあまりにもTEAM NACSを受け取りすぎてたなぁというふうに今、思ってるんです。*1


初めて会った時から、感性、センスで惹かれあったことは全員の共通項だと思いますが、彼らとの出会いで一番影響を受けたのは安田さんではないかと思っています。安田さんは明るい性格ではないため、お友達がほとんどいない状態で高校生まで過ごしましたが、大学で初めて気の置けない仲間ができ、演劇をやることで自分の殻を破ることができたのではないでしょうか。

安田さんのビジョン2

  • 学生時代の親友から仕事仲間、役者としてのライバルへ

森崎:一緒に飲むとね、あいつ(安田さん)なりのNACSへの美学っていうものが今でも見えるな。前回の全国ツアーの時に、あれは仙台だったかなぁ、二人で飲みに行って。彼は当時全部自分で何とかしようと思っている人だったから、俺達はチームなんだから、いろんなことを相談して決めるのもいいだろうなんて話を彼としたことがあって。その時に彼が言ってたんだけど、「いや、俺達はリングに上がらないと会話ができねえんだよ」って。「リングに上がらない限りはそれぞれ個人でいいだろうと。普段ああしろ、こうしろなんて恥ずかしい、そんなのいいだろ。でも舞台に上がった時に、皆がちゃんとその二年間何をやってきたのか。どんなふうにNACSにおみやげを持って帰ってきたかっていうのを集める場所が本公演だ」ってことをアイツは言ってたんだよね。*2


一緒に仕事をするとなると、良いことだけではありません。今でこそ名バイプレイヤーではありますが、それぞれが東京で仕事をし始めた時、安田さんは「自分だけ仕事が少ない」と焦ったこともあったそうです。個々の活動が増え、北海道でのレギュラー番組で5人が揃わなくなり、4人ないし3人でのロケも増えてきた当時、確かに安田さんはほぼ皆勤賞でした。


それでも、仕事のあるメンバー、中でも忙しい大泉さんを妬むことはありません。なぜなら、それを超えた信頼関係があるからです。

安田:とにかく、貶し上手なんですよ。ひどい誹謗中傷を僕に浴びせるんですけど、それが死ぬほど笑えるんです。全くムカつかない。もう、ゲッタゲタ笑いますね。しかも彼(大泉さん)は、ちゃんと相手を見てそういうことを言いますからね。本当に嫌いな人間や弱ってる相手に対しては、絶対にそういうことは言わない。だから彼から誹謗中傷されてるうちは、僕自身も元気なんだなぁって思えるんですよ。*3

安田:正直言って、大泉洋という人間にはどうやったってかなわないですよ。(中略)お客さんに受け入れられようが、受け入れられまいが、あなた(大泉さん)がゲラゲラ笑うんだったら、それが一番面白いのだろうと*4


エースへの絶大な信頼があってこその切磋琢磨なんでしょう。


安田さんのビジョン3

  • 結婚や子供の誕生を経て、たまに親友に戻ることができる大人の仲間

安田:そういえば僕はね、奥さんと子どもと、森崎ご夫妻の家に、遊びに行ったことがあって。(中略)やっぱりお互い、5人でいる時とはちょっと違うよね。(中略)お酒をいただいたんですが、最後まできちんと記憶もあるし、帰りには「おじゃましました」ってご挨拶もして。*5

一方、公演以外で印象に残っている出来事を尋ねてみると、「メンバーの結婚式」という微笑ましい答えが。しかしそれは単なる感動的な場だったというだけでなく、メンバーの関係性を再確認できる場でもあったようだ。

安田:そういうとき、僕の意識の中ではさっきまで会っていたTEAM NACSのみんなとは別人になるんです。たとえ直前まで一緒に仕事をしていたとしても、『おお、久しぶり!何やってたの、お前?』と言いたくなる。向こうとしては『さっきまで一緒にいただろう』って思うでしょうけど(笑)

実は大泉も似たような発言をしていた。結成以来、一番印象に残っている出来事は、安田の第一子誕生。病院で付き添っていた安田は、まるで実況中継をするかのごとく、メンバーに何度もメールを送ってきたという。そして、それぞれ別の仕事をしていた4人は、誰からともなく集まって、祝杯をあげた。

「舞台では絶対に生まれない、とんでもない結束力と温かさが、あのとき全員を包んだ」と大泉は振り返る。

安田:今の僕たちは言ってみればビジネスパートナーですから、これまでいい積み重ねもあれば、悪い積み重ねも当然あるわけです。でもそんな積み重ねがふっとなくなって、彼らの幸せを純粋に喜んでいる、ただの親友に戻れる瞬間があるんです。そうなれることが、個人的には嬉しいって。そう思えるうちはまだ大丈夫だって。 *6


安田さんが子供を授かったと報告した時のエピソードも好きで。音尾さんが語っているのですが、番組の沖縄ロケの時に、珍しく明るい顔でマゴマゴしながら報告したといいます。その時お店ではBEGINの『涙そうそう』が流れていたそうですが、少し悲しいその歌が、音尾さんにはハッピーな歌に聞こえ、以降聴くと報告を受けた時のように嬉し涙がポロポロ出るとか。



安田さんのビジョン4

  • 親友から始まった5人組が全国区で活動するグループの行く末

同じ北海道出身のGLAYなど、バンドでは学生時代に出会った仲間で、現在全国で活躍するグループはいますが、グループにおいて、昨今ではジャニーズ以外でもオーディションや、いきなり結成されたような「選ばれた奇跡」を大事にするグループが多いように感じます。


そんな中、TEAM NACSは学生時代に出会い、自分たちの意思で続けることを選択し、自分たちの意思でグループを大きくしていった人たち。いきなり結成されたから個性がバラバラで、それが面白いのが主流の中、まさかの自分たちで結成したのに個性がバラバラな、不思議なグループです。

安田:これからのTEAM NACSは、学生時代に出会った仲間が、一緒に年をとっていくという、他のグループにはなかなかない境地になっていくと思いますし、そこをお互いに目指しているとも思います。*7


この行く末の途中経過に、ドリフターズ方式をとっていく重要な流れがあるので、別でまとめています。

安田さんのビジョン5

  • 親友に戻って、笑って死んでいく


これが最も私が共感する安田さんのビジョンです。これを聞くまで、ごく一般的に「TEAM NACSよ永遠に…!」と思っていましたが、はっとさせられました。


番組の宴会企画でお酒を飲みながら視聴者からの質問に答えるというもので、「5人は本当に仲がいいの?」という質問に対し、「もう単純に親友とはいえない」というメンバーに、「俺は4人いるって答えるぞ!」と熱くなるリーダー。そんな中、安田さんが静かに語り出します。

安田:(スタッフに)同じ会社に親友なんていないでしょ?違う仕事してる人と仲良くするでしょ?
スタッフ:そうですね。
安田:それと一緒だよ。もしもね、脱退もしくは解散したら俺、居酒屋やろうと思うんだよね。
森崎:なんでいきなり…?
戸次・大泉:???
音尾:(爆笑)
アナウンサー:話がいきなり飛びましたけど (笑)
戸次:すごい飛び方したねぇ、いま。何きっかけなんだろう?
安田:解散というものは、一人が「俺もういいわ」て言ったら、なると思うんだ。で、素直にメンバーと話をしようと思ったら、やっぱり違う仕事をしようと思うんだ。そして、居酒屋やろうと思うんだよね。
音尾:俳優を辞める?
安田:うん。なんにも出ないよ?自分で注いでもらうけど。
音尾:ちょっとよく分かんない(笑)
大泉:それは居酒屋でも何でもない(笑)。なんにも出ないんですか?
安田:そう。で、3年4年経った時にあんたたちがさ、たまにフラっとやってきてくれたらそれでいいかなと思うのよ。その時「最近どう?」って言ったら、同業者だったら出来ない相談をしてくれるのよ。
大泉・音尾:なるほど。
安田:「あー、そうなんだぁ」って。
戸次:安田さんいい事言う…
安田:その時はたぶん、「親友いますか?」って言われたら「4人」って言えるね。*8


まさか、安田さんが芝居さえ辞めると言うとは思いませんでした。芝居は彼のライフワークになるだろうと思っていましたが、TEAM NACSが無くなってしまうなら、居酒屋を開いてみんなと親友に戻ることを望む安田さんにとても感動して、私は安田さんのビジョンに賛成しました。


そんな安田さんは、おそらく居酒屋を開いた何年か後の死に際についても、かなりこだわりがあります。

安田:NACSのメンバーってのはあれだね。見届けたいよね。やっぱりこう、全員の骨を拾いたいね。
大泉:俺達の死んでく様を見て行きたいと(笑)
安田:俺は5人の中で一番長生きしようと思ってるね。それぞれの葬式で俺、(弔辞を)言いたいね。遺影を前に。なんだろうね?やっぱり自分が死ぬときには必ず思い出すだろうね。やっぱりそういう感じはあるね。
戸次:あるね。
森崎:じゃああれか、死ぬまでNACSか?
安田:それは分からん。分からんけど、葬式には全部行くよ、俺。
大泉:でもそれは、お前が死んだら俺らが出すわけでしょ?NACS葬でしょ?それは。
安田:それは俺ないから(笑)
大泉:俺絶対お前より長生きするぞ?
安田:ただ、お前が一番最初に死ねば、俺ら4人で棺担げんだぞ?
大泉:ん?どういうこと?
安田:お前が一番最初に死ねば、4人で棺担げるわけだよ。それ嬉しいべ。
大泉:お前らに担いでもらうこと?いや~!絶対やだね!
森崎:そうかそうか3番目に死んだら、2人しか担ぐ人いないもんな。
安田:そうそうそう。だから俺最後まで生きて、俺はいいから。俺はもう棺自分でやるからさ。
森崎:自分でやるってどういうことよ!?
安田:(笑)
音尾:不死身か(笑)
安田:こないだほら、それこそ生きてるじゃないけど、子供が生まれたでしょ?やっぱりね、その時に感じたね。すごく、「あ、この人たちのことを死ぬまで大事にしような」と思ったね。
大泉:なんかお前はあれだな。本当に死ぬ間際だけ大事にしてくれそうだね(笑)。あと4、50年はあんまり大事にしないんだけど、「大泉くん、死にそうみたい…」って言われたら…。
安田:俺、全力をかけて笑って死なせる!
大泉:ふはははは!
安田:全っ力でいく!
戸次:それ嬉しい(笑)
大泉:俺はさ、死にそうになってるところでお前が全力で笑わそうとしたら必死になって小声で言って「何?大泉くんなんて言ったの?」って聞いたら「向こういけ…!」って言うね(笑)
一同:(爆笑)
大泉:「向こういけ…!」で死ぬね(笑)
一同:(爆笑)
大泉:もう親族しかいないのに、お前いるの(笑)「(安田さんの真似で)洋ちゃ~ん、洋ちゃ~ん…モモンガ!ムササビ!(飛び跳ねてる)」とかやってるお前を見て…(笑)「出てってください!」って(笑)
一同:(大爆笑)
戸次:そん時、当然ヤスケンだってじじいだよ(笑)
大泉:じじいだよ(笑)。「ムササビ… (手が震えてる)」
一同:(大爆笑)*9


この酔っ払ってキャンプファイヤーの前で爆笑する5人を見て、なんと幸せな光景だろうと感動してしまいました。そして安田さん、森崎さんの「死ぬまでNACSか?」という質問に「それは分からん」と即答していて、やっぱり死ぬ時には仕事仲間を卒業したいのかなぁと。


この時、安田さんと一緒に死に際トークで盛り上がった大泉さんも、仲が悪くなるなら解散すればいいと考えるお一人。この二人、ビジョンは同じかもしれません。

大泉:僕らはお芝居さえやってなければ『バカじゃないの?』っていうくらい仲がいいですから。気まずくなったら芝居をやめればいいって気楽に思ってます(笑)。芝居に関しては妥協はできないので、始まった途端にケンカが始まるんですよ。*10

さて、全員の最期を看取りたいという安田さんは定期的にこの話を引っ張り出してくるほど実は真剣。ここから先は、面倒ですが、是非脚注に飛んでその発言の歴史の重ね具合を見ていただきたいです。この人、最初の2004年から10年近くこのビジョンを語ってます。

安田:でも、よく昔バカ話で話してたんですけど、TEAM NACSってずっと長く続けていきたいっていう気持ちがあってね。そしたらやっぱり彼(大泉さん)の最期は看取りたいなとは思いますよね。で、臨終する時にパッと最後に目開くっていうじゃないですか。その時に、見るのがニヤッと笑った僕の顔だったら面白いなと思って(笑)。そしたらまたピコーンピコーンって上がってくると思うんですよ、グラフが。結局、また生き返っちゃってね(笑)。同年代ですから恐らくその隣に、私もスレスレの状態で生きてると思うんですけどね。お互い点滴しながら『おめーより先には絶対死なねえ!』つって(笑)*11

安田:僕はみんなの後ろを走るのが好きで。もう、どんどん先を行ってくれていい。その代わり僕はみんなの後ろを、同じペースで、ビターッ!と着いてってやるから、と。

そして前を行く者には見えない景色を、安田は見て、伝えたいのだという。彼が見据えるゴールテープは、5年や10年そこらのものではない。

安田:僕は早死にするつもりはないですからね。かなりの長期戦になりますよ。最終的に、じいさん5人が病院のべッドに並ぶ日が来たら、4人の点滴を早めてやろうと思って。*12

森崎:でもやっぱりTEAM NACSといえば安田ってところが僕の中でありますんで、安田さんが最後ひとり残って高らかに笑う姿が見たい、と。
安田:長生きはしたいですね。この人たち4人の葬式では僕が弔辞を読みたいなと、思ってるんですよ。
大泉:クックックックッ.....(笑)。昔から言ってるんですよ、「全員を看取ってやる」って。でもコイツの思い描いてる看取り方って、自分も瀕死の状態なの。管つけてボロボロになりながら横で死んでる俺ら見て笑ってやれっていう。コイツよりは長生きしたい!って意地だけで最後まで生きてるっていう。
安田:最近ドラマで医者役が多いので、白衣をいただいておいて医者に化けて、ひとりひとりにこう(毒を盛る) .....って思ってるんですよ。*13

安田:同時にくたばるんじゃなくてやっぱりひとりひとりがいいですね。そしたら順番に追悼公演ができる。その頃にはチケットもお求めやすくなってると思うんで。
戸次:最後は一人芝居か(笑)
安田:そのために僕、ひとり語りというのをやっているんです
大泉:まさか僕らの追悼公演のためにひとり語りやってるとは(笑)。ま、面白いよね。ひとり語り『大泉』とかいうタイトルで、安田が「面白い人でしたぁ…」なんて(笑)*14



自分が先に死んでしまいそうなら、メンバーに毒をもってまでも看取りたい安田さん…。前々から安田さんお気に入りのメンバー・音尾さんに対して曲がった愛情を注ぎ続けていましたが、改めて見るとまさかこんなに愛が重たいとは(笑)


ちなみに、ちょっと状況が違うかもしれませんが、生死のピンチだった場合は助けてくれるようです。

森崎:じゃあ、もしも崖にNACSと焼酎がぶら下がっていたら、どっちを助けますか?
安田:僕は酔っ払っていなかったら、君たちに手は差し伸べない。
森崎:じゃあまず焼酎を飲んでからで。
安田:飲んでから助ける。酔っぱらうと人恋しくなるから、ものすごく手を差し伸べると思います。「いい、いい。オレが落ちるから。みんな、オレの上を渡って行け!」ってね(笑)。*15


筋の通った本格的なビジョンを持つサブリーダーの安田さん。そして実は、リーダーの森崎さんも解散派の一人なんです。前述のように「今も俺の親友はお前たち4人だ!」と熱く語る森崎さんですが、今どう思っているかはさておき、安田さんの考えも最終着地点は同じ親友。また、森崎さんは具体的な解散ビジョンも持っています。


森崎さんの2056年に電撃解散というビジョン


森崎さんが「TEAM NACSは80歳になったら電撃解散をするんだ」と言い始めたのは、2008年に公開されたNACSが全員監督・脚本をして5本のオムニバス映画を撮った『TEAM NACS FILM N43゜』で、森崎さんが監督脚本を手がけた「AFTER」という作品でした。


TEAM NACS FILMS N43° [DVD]

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一番下の音尾さんが80歳を迎えるTEAM NACSが、再び5人で舞台に立つために集合するという作品。おじいちゃん役者さんにはあえて声を発せずにお芝居させているところに森崎さんの演出が光っています。再演に選んだのは『FEVER~眺め続けた展望の行方~』という初めて5人だけで公演したお芝居で、5人のおじいちゃんは老体に鞭を打って頑張りますが、最年長の森崎さんが倒れて入院してしまいます。


どうしようもなく4人で本番を迎えますが、なんとか病院を抜けだしてやってくる森崎さん。ゆっくりとステージに向かう途中の客席では、同じように年を重ね、おばあちゃんになったファンが森崎さんの名前を笑顔で呼んで応援し、ステージでは4人が手を差し伸べて待っている。


そしておじいちゃんNACSと20代NACSの映像が入れ替わり流れ、あの時と同じネタでお客さんは笑い、伝説の名セリフ「これが、今まで僕が眺め続けた展望だ。僕は未だここに立ち、一人汗をかいている。先のことは分からないが、今の自分は満足できる!」とともに、無事に舞台は終了。おじいちゃんNACSが声を発し、最後に「本日のご来場、誠にありがとうございました!」と頭を深々と下げ、2056年にTEAM NACSは解散。それぞれの生活に戻るという、ファンは号泣するしかない、ズルい作品(笑)。


これで初めて森崎さんが「おじいちゃんになってもNACSやるぞ、2056年の80代で電撃解散するぞ」と言い始めたのです。



ちなみにこの時、この発言を「ちょっと恥ずかしいな…」と思っていたのは戸次さんとは音尾さん。

戸次:リーダーが手がけた『AFTER』という作品があって、(中略)最初にあれを見た時は、正直「何を恥ずかしいテーマで撮ってるんだ!」なんて思ってたんですけど、それが今やだいぶ現実味を帯びてきました(笑)。

音尾:TEAM NACS FILM TOUR「N43°」のときリーダーが、50年後もTEAM NACSをやっているっていう設定を描いていましたよね。あれを見せられると照れくさくて、そんな思い通りにはいきませんよとは思うけど、このままやっていけばああなるんだろうなっていう感じも何となく分かるし。*16


この二人が割とドライなんですよ〜。だからエースの大泉さんが「途中で抜けるなんて言わないでくれよ…?」と心配してガムシャラに頑張ってしまったりするのですが。


さて、『2056年電撃解散説』について、つい最近の雑誌で森崎さんがまた新たな発言をしています。


森崎:80という数字を出すことで、「絶対解散しない」とか「死ぬまでやる」とかいう不安定な約束じゃなくて、よりリアル感が出るというか。そこまで一緒にやれたら、見えない何かに勝てるんじゃないかって気がするんです。演劇は勝ち負けも点数もつかない仕事だけど、なんか”勝ち”という感覚が持てるんじゃないか。僕にとっては、そういう気持ちの「80歳」なんですよね*17

森崎:人生の取捨選択って、幾度も訪れるものだけど、40代の取捨選択っていうのは、何というか、既に答えが決まっている感じがありますよね。迷いがない。この道を行けば、自分は80歳まで無理せずやっていけるんじゃないかって思う。もしくは、無理をしてでも80歳にまで辿り着こうって思うんです。ええ、僕は、人生のピークを80歳だと想定しています(笑)*18


森崎さんのビジョンも素敵なので、私は2056年に解散するのが一番いいのではないかと考えています。


いかがでしょうか。学生時代に出会った仲の良い親友から仕事仲間になり、また親友に戻りたいというTEAM NACSのビジョンを、私は応援せずにはいられません。せっかく出会ったんだから、せっかく仲良くなったんだから、また出会った頃のように何も考えずに笑っていてほしい。



そもそも、彼らのはじまりは解散でした。北海学園大学を卒業する森崎さんと安田さんと、もう一緒に芝居ができなくなるからと5人だけで公演をした解散公演がきっかけで、ここまで続いているのです。



解散というのは、彼らにとってはマイナスではありませんでした。実際に森崎さんが東京に就職してからもしょっちゅう遊びに行ったり(そのおかげで森崎さんはホームシックになって再結成されました)、東京と札幌の会社員になった森崎さんと安田さんは連絡を取り合っていました。



つまり、一度解散経験のあるTEAM NACSにおける今後の解散は、5人で芝居をしなくなるだけで、仲の良さは何ら変わりないのです。だから、私も安心して彼らに解散をすすめることができます。



テレビやラジオで頻繁に姿を見せなくていいし、頭を悩ませてまで舞台に立たなくてもいいよ!北海道のどこかにある安田さんのお店で、5人でバカみたいに笑ってくれているのを信じるから!





さて、こちらの疑問についてはまた別でまとめます!





いつものように長くてすみませんでした!

*1:『Cut』2009年4月号

*2:ハナタレナックス

*3:『LOOSER〜失い続けてしまうアルバム〜』パンフレット

*4:papyrus』2009年4月号

*5:『下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。』パンフレット

*6:papyrus』2009年4月号

*7:『STAGE navi』2015年vol.4

*8:ハナタレナックス』2012年6月21日放送

*9:『LOOSER~失い続けてしまうアルバム』特典映像「NACS キャンプ2004」

*10:『ピクトアップ』2005年2・3月号

*11:『Cut』2008年5月号

*12:『ぴあ』2011年5月

*13:『SODA』2012年5月号

*14:『SODA』2015年9月号

*15:papyrus』2009年4月号

*16:papyrus』2009年4月号

*17:『SODA』2015年9月号

*18:『STAGE navi』vol.4